
目次
- TBS報道で話題になった動画とは
- なぜ「いきなり重り」は問題なのか
- メンタルとトレーニングの深い関係
- 成果より大切な“続けられる”設計
- パーソナルトレーナーの本来の役割
- 利用者が安心できるジム選びのヒント
- 最後に|「やさしさ」が最大の成果を生む
1. TBS報道で話題になった動画とは
まずはこちらの動画をご覧ください。
【TBSインサイダーズ】
「“メンタルの問題だから” いきなり重りを持たせる必要は?」
YouTubeリンクはこちら
この動画では、「メンタルが弱いから鍛える必要がある」という言葉のもと、トレーニング初心者にいきなり重いバーベルを持たせる指導が行われていたという、あるパーソナルトレーニングジムの実態が紹介されています。
一見すると「厳しいけれど成果が出るやり方」に見えるかもしれませんが、実際には大きな問題点があることがこの報道で浮き彫りになっています。
2. なぜ「いきなり重り」は問題なのか
筋トレに慣れていない人に、フォームもわからない状態で高負荷をかける。
これはケガのリスクが極めて高いだけでなく、心にも大きなストレスを与えます。
- 「筋トレってこんなに苦しいの?」
- 「こんなの絶対続かない」
- 「できない自分がダメなんだ…」
こうした思考が働いてしまうと、運動そのものが嫌いになってしまう可能性もあります。
そもそも、体を鍛えるというのは「苦行」ではなく、「心身を整えるための手段」であるべきです。
いきなり重りを持たせることが、成果に直結するわけではありません。
3. メンタルとトレーニングの深い関係
意外に思われるかもしれませんが、トレーニングとメンタルは密接に関わっています。
気分が落ちているとき、人は体を動かすエネルギーさえ湧かないことがあります。
だからこそ、最初の一歩は小さくてよくて、
「できた」「動けた」「ちょっと気持ちよかった」という経験が大切です。
実際、動画でも語られていたように、
「いきなり重りを持たせる」ことが“指導”だと誤解してしまうトレーナーがいる現状は、業界全体として真摯に受け止めるべきです。
4. 成果より大切な“続けられる”設計
本当に成果を出したいなら、「続けられるかどうか」がすべてです。
- 小さな成功体験
- 無理のない目標設定
- 自分のペースで歩むことの許容
これらが揃ってこそ、ダイエットも、筋力アップも、生活習慣の改善も、実を結びます。
「自分は運動が苦手だから…」と感じている方ほど、ハードなトレーニングではなく、メンタルケア込みのサポートが必要です。
5. パーソナルトレーナーの本来の役割
トレーナーの仕事は、「重いものを持たせること」ではありません。
- 目の前の人の不安や躊躇に寄り添う
- “できる範囲”を一緒に探す
- 成果だけでなく「心の余裕」も育てる
このように、人と人としての信頼関係を築いてこそ、トレーナーの本当の力が発揮されるのです。
動画でも示されていたように、ただ厳しくすること、ただ汗をかかせることは、指導とは言えません。
6. 利用者が安心できるジム選びのヒント
では、どうすれば信頼できるパーソナルジムを選べるのでしょうか?
以下のような点を意識してみてください。
✔ 初回カウンセリングがしっかりしているか
目的・悩み・過去の運動歴などを丁寧に聞いてくれるかを確認しましょう。
✔ フォームや動作の説明が丁寧か
「とにかくやってみて」は危険です。納得できる説明があるかがポイント。
✔ 運動強度を無理に上げないか
「根性論」ではなく、段階的に進める方針かを見極めましょう。
✔ 不安や質問を話しやすい空気があるか
心理的に「相談しやすいか」は、とても大事なチェックポイントです。
7. 最後に|「やさしさ」が最大の成果を生む
筋トレやダイエットを始めようと思っている人の多くは、
「自分に自信がない」「体力に不安がある」「人と比べてしまう」
そんな悩みを抱えています。
だからこそ、必要なのは、
叱咤激励でもスパルタでもなく、“寄り添うこと”。
たとえ小さな変化でも、認めてくれる人がいる。
できなかった日でも、責められずに前を向ける。
それが、本当の意味で人を変える力になると信じています。
この報道をきっかけに、「トレーニングって本当に自分に必要なの?」と迷っている方が、
少しでも前向きに、そして安全に、自分のペースで運動を始められる環境と出会えることを願っています。
筆者プロフィール

別府 敬祐(べっぷ けいすけ)
大阪・上本町の隠れ家的パーソナルジム「Pure」をひとりで運営する、NSCA-CPT認定トレーナー/上級心理カウンセラー。
大手ジム3社での勤務経験を経て、運動が苦手な初心者や、自信をなくした方専門のサポートに特化。
かつて職場での人間関係により適応障害を発症し、社会から離れた経験がある。その際、担当医のすすめで再び運動を始めたことが、心と体を立て直す大きなきっかけに。自らの経験をもとに、「頑張れないときこそ、運動が心を救うことがある」と実感し、同じように不安や迷いを抱える人たちの力になりたいと独立を決意。
現在は、トレーニングだけでなく、心理面への理解を活かした寄り添う指導で、「怖くて一歩が踏み出せなかった方」が安心して続けられる環境づくりに力を注いでいる。
【保有資格】
NSCA-CPT(全米ストレングス&コンディショニング協会認定パーソナルトレーナー)
ダイエット検定1級/2級(日本ダイエット健康協会)
上級心理カウンセラー(JADP認定)