
目次
- はじめに|話題の「ライザップステマ問題」とは
- 問題の動画|ニュース映像で事実を確認
- 何が違反だったのか?景表法の観点から解説
- ステマの定義と背景|なぜ規制が強化されたのか
- ライザップの実態と社会的影響
- 広告・マーケティング業界への教訓
- 消費者として何を気をつけるべきか
- 結論|透明性が企業の信頼を生む時代へ
- 関連リンクと参考情報
1. はじめに|話題の「ライザップステマ問題」とは
2024年8月9日、消費者庁はライザップ株式会社に対して「ステルスマーケティングに関する景品表示法違反」として措置命令を出しました。これは、広告表示の透明性に対する社会的な関心が高まる中での重大な指摘となり、多くの消費者やマーケティング関係者の間で注目を集めています。
ライザップといえば、劇的なビフォーアフターのCMで知られ、chocoZAPなどの手頃な価格帯のジム展開でも人気を博してきましたが、今回の件はそのイメージを大きく揺るがすものとなりました。
2. 問題の動画|ニュース映像で事実を確認
まずは実際に報道された内容をYouTubeの動画でご確認ください。以下がその映像です。
ニュースでは、インフルエンサー投稿を自社Webサイトで『口コミ風』に掲載していたことが問題視されており、『広告表記の欠如』が焦点となっています。
3. 何が違反だったのか?景表法の観点から解説
今回の措置命令の根拠となったのは、景品表示法第5条(優良誤認およびステルスマーケティング告示)です。
主な違反点は以下の通りです。
- 広告であることの明示がなかったこと
- 自社に有利な情報のみを“第三者の意見”のように掲載したこと
- サービス内容に関しても誇張表現があったこと
これにより、消費者が『客観的な体験談』だと誤解するおそれがあると判断されました。
4. ステマの定義と背景|なぜ規制が強化されたのか
ステルスマーケティング(ステマ)とは、広告であることを明示せず、あたかも消費者や第三者の意見であるかのように情報を発信する手法を指します。
2023年10月には、消費者庁がステマを明確に違法とする方針を打ち出し、これにより初の措置命令が今回のライザップ案件となりました。
背景には、SNSやインフルエンサーマーケティングの影響力の増大と、消費者保護の必要性の高まりがあります。
5. ライザップの実態と社会的影響
chocoZAPの会員数は120万人を超え、全国約1,500店舗を展開しているライザップ。
その影響力の大きさゆえに、今回の措置命令は以下のような影響を与えると考えられます。
- 他社の広告審査基準が厳格化
- インフルエンサー業界の信頼性低下
- 消費者の「広告離れ」や懐疑心の高まり
ライザップ自身は「表示に不備があった」とし、再発防止策と謝罪を発表しています。
6. 広告・マーケティング業界への教訓
今回の件は、広告を扱うすべての企業・個人にとっての教訓です。
- 「広告」であることの明示は必須
- たとえ本当の体験談でも、報酬が発生していれば広告表記が必要
- プラットフォーム側も責任を持ってガイドライン整備を進める必要がある
今後は『企業と消費者の信頼構築』がマーケティングの軸となるでしょう。
7. 消費者として何を気をつけるべきか
この事件をきっかけに、消費者も情報の受け取り方に注意を払う必要があります。
- 「口コミ」や「レビュー」が実はPRではないかを確認
- 「PR」「広告」「提供」などの記載があるかどうかを見る癖をつける
- 不自然な投稿(やたらと褒めている、同じ文体が複数あるなど)に警戒する
情報に流されず、疑問を持つ姿勢が、安心な選択につながります。
8. 結論|透明性が企業の信頼を生む時代へ
ライザップのステマ問題は、単なる法律違反にとどまらず、「信頼性とは何か」を考えさせる出来事でした。
広告に対する透明性は、企業と顧客をつなぐ信頼の基盤です。
これからは『正直な発信』が最も強いマーケティングになる時代です。
目先の集客よりも、長期的な信用を大切にしていく姿勢が企業の未来を左右します。
9. 関連リンクと参考情報
筆者プロフィール

別府 敬祐(べっぷ けいすけ)
大阪・上本町の隠れ家的パーソナルジム「Pure」をひとりで運営する、NSCA-CPT認定トレーナー/上級心理カウンセラー。
プロ格闘家を引退後、大手ジム3社での勤務経験を経て、運動が苦手な初心者や、自信をなくした方専門のサポートに特化。
かつて職場での人間関係により適応障害を発症し、社会から離れた経験がある。その際、担当医のすすめで再び運動を始めたことが、心と体を立て直す大きなきっかけに。自らの経験をもとに、「頑張れないときこそ、運動が心を救うことがある」と実感し、同じように不安や迷いを抱える人たちの力になりたいと独立を決意。
現在は、トレーニングだけでなく、心理面への理解を活かした寄り添う指導で、「怖くて一歩が踏み出せなかった方」が安心して続けられる環境づくりに力を注いでいる。
【保有資格】
NSCA-CPT(全米ストレングス&コンディショニング協会認定パーソナルトレーナー)
ダイエット検定1級/2級(日本ダイエット健康協会)
上級心理カウンセラー(JADP認定)