
目次
- 自己紹介とこの記事を書こうと思った理由
- Youtube情報が独り歩きする現実
- 24時間ジム利用者に多い「凝り固まった思い込み」
- 体験に来たお客様とのエピソード(X脚が原因の前もも張り)
- Youtube知識だけでは成果が出にくい理由
- 正しいサポートを受けることの大切さ
- まとめ
1. 自己紹介とこの記事を書こうと思った理由
はじめまして。大阪・上本町にあるパーソナルトレーニングジムPureの別府です。
NSCA-CPT(全米公認資格)を持つトレーナーとして、これまで多くの初心者や運動が苦手な方に寄り添ってきました。
最近、体験トレーニングに来られる方の中に「Youtubeで勉強しながら24時間ジムに通っています」という方がとても増えています。
努力家で真面目な方が多いのですが、実際にお体を見せていただくと、誤った知識に縛られてしまい、成果が出にくくなっている方が少なくありません。
今回は、そうした「Youtubeの情報を信じすぎてしまう落とし穴」について、私の実体験を交えながらお話しします。
2. Youtube情報が独り歩きする現実
今は誰でも簡単にトレーニング情報を得られる時代です。
検索すれば「10分で腹筋を割る方法」「1日3分で脚痩せ」「スクワットは膝を出すな」など、たくさんの動画が並びます。
確かに便利ですが、その中には根拠のない内容や極端な方法も多く存在します。
再生数を伸ばすために刺激的なタイトルをつけているものも多く、視聴者はそれを「正しい情報」と信じ込んでしまうのです。
しかし、筋肉の付き方や骨格の形、関節の動き方は人によって違います。
他人の方法をそのまま真似しても、同じ結果になるとは限りません。
むしろ、自分の体に合わないフォームを続けることで、痛みや不調につながることがあります。
3. 24時間ジム利用者に多い「凝り固まった思い込み」
24時間ジムの魅力は、自由に通えることとコストパフォーマンスの良さです。
ですが、その自由さゆえに「誰にも見てもらえないまま」間違ったフォームが習慣化してしまう危険もあります。
多くの方が「Youtubeで見た通りにやっています」と自信を持っておっしゃいますが、
フォームを確認してみると、本来使いたい筋肉がまったく働いていないことがよくあります。
結果として、前ももばかり張る、腰が痛い、膝に違和感があるといった悩みを抱えてしまいます。
努力しているのに成果が出ないのは、頑張りが足りないのではなく、方向が少し間違っているだけなのです。
4. 体験に来たお客様とのエピソード(X脚が原因の前もも張り)
ある30代の女性が体験トレーニングに来られました。
とても真面目で、「Youtubeを見ながら半年ほど24時間ジムに通っています」と話してくれました。
しかし、「太ももの前がどんどん張ってきて、脚が太く見える気がするんです」と悩まれていました。
実際にスクワットを見せていただくと、上体を深く前傾させ、膝をまったく前に出さないフォーム。
理由を尋ねると「Youtubeで“膝を前に出すと前ももが太くなる”って言っていたので、出さないようにしています」とおっしゃいました。
その動画を配信していたのは、トレーナーでも専門家でもないただのYoutuber。
筋肉や関節の構造を理解していない人の発信が、真面目な方ほど信じてしまいやすいのです。
姿勢を確認すると、彼女は典型的なX脚(内股気味の脚のライン)でした。
X脚では膝が内側に入り、骨盤が外に開きやすくなります。
その結果、常に太ももの前側が緊張し、お尻や裏ももがうまく使えなくなる状態になります。
つまり、前ももが太く見えていた原因は筋肉のつきすぎではなく、脚の歪みと重心のズレだったのです。
私はやさしく伝えました。
「膝を前に出すこと自体が悪いわけではありません。膝、股関節、足首を連動させて動くことが大切です。正しい重心で動くと、お尻や裏ももが自然に働き、前ももの張りも落ち着いてきますよ。」
しかし彼女は少し困った表情を浮かべ、
「でもあのYoutuberが絶対膝を出しちゃダメって言ってたので…」と返されました。
私は否定することはせず、
「体の使い方は人それぞれ違います。動画で見るフォームが全員の正解とは限りません。自分の体を感じることを大切にしてみましょう。」
と伝えました。
その日は理解までは至りませんでしたが、私は心の中で「いつかこの方が本気で変わりたいと思ったとき、今日の話を思い出してくれたら」と感じました。
この経験を通じて、正しい知識を伝え続けることの大切さを改めて強く実感しました。
5. Youtube知識だけでは成果が出にくい理由
Youtubeで得られる情報は、あくまで一般的なものです。
動画では個々の骨格や柔軟性、筋肉バランスまではわかりません。
スクワットひとつとっても、X脚の人、O脚の人、反り腰の人では修正すべきポイントが全く違います。
また、動画で見ているフォームと自分が実際にやっているフォームには大きなズレがあります。
本当に身体を変えたいなら、自分の体に合ったトレーニングが必要です。
「どこを意識するか」「どの筋肉を使っているか」「呼吸をどう整えるか」
その一つひとつが結果を左右します。
6. 正しいサポートを受けることの大切さ
パーソナルトレーニングの価値は、フォームを直すことだけではありません。
自分では気づけない体のクセや思い込みを修正できることにあります。
特に、運動に苦手意識がある方ほど、間違った情報を信じやすい傾向があります。
そんなときに寄り添いながら、安心して正しい方向へ導く存在が必要です。
私がトレーニングで大切にしているのは、体と心が軽くなる感覚を一緒に見つけることです。
「これならできそう」「少し体が楽になった」
その小さな気づきが、継続と自信につながります。
7. まとめ
YoutubeやSNSの情報は手軽で便利ですが、一番大切なのは自分の体を理解することです。
頑張っているのに成果が出ないとき、それは努力が足りないのではなく、方向が少しズレているだけかもしれません。
正しいフォームを身につけることは、体を変えるだけでなく心の自信にもつながります。
自分の体を理解し、正しい方法で努力を重ねていけば、必ず結果はついてきます。
もし今、Youtubeの知識を信じて頑張っているのに変化を感じられない方がいたら、
一度、自分の体に合ったトレーニングを経験してみてください。
その瞬間、きっと「正しい努力の心地よさ」を感じられるはずです。
筆者プロフィール

別府 敬祐(べっぷ けいすけ)
大阪・上本町の隠れ家的パーソナルジム「Pure」をひとりで運営する、NSCA-CPT認定トレーナー/上級心理カウンセラー。
プロ格闘家を引退後、大手ジム3社での勤務経験を経て、運動が苦手な初心者や、自信をなくした方専門のサポートに特化。
かつて職場での人間関係により適応障害を発症し、社会から離れた経験がある。その際、担当医のすすめで再び運動を始めたことが、心と体を立て直す大きなきっかけに。自らの経験をもとに、「頑張れないときこそ、運動が心を救うことがある」と実感し、同じように不安や迷いを抱える人たちの力になりたいと独立を決意。
現在は、トレーニングだけでなく、心理面への理解を活かした寄り添う指導で、「怖くて一歩が踏み出せなかった方」が安心して続けられる環境づくりに力を注いでいる。
【保有資格】
NSCA-CPT(全米ストレングス&コンディショニング協会認定パーソナルトレーナー)
ダイエット検定1級/2級(日本ダイエット健康協会)
上級心理カウンセラー(JADP認定)
